Story01 明るさを感じる寝室へ ―目黒区K様邸

K様との出会いは、私が主催するインテリアセミナーにお越しいただいたのがきっかけでした。

都内に戸建を建てられたばかりのK様は、「まさか自分たちが戸建を建てることになるとは」とお話されるくらい、それはとても意外なことだったそう。

元々ベイエリアに住まわれていて、明るい日差しが行きわたる広々としたマンションでの生活が大変気に入っていたとのこと。

そんな中、お母さまの日々のフォローや、お子さまの進学のこともあり、都内へ。そして、あれよあれよと話が進み、戸建を建てることになったとのこと。

「なぜ家を建てることになったか、よく自分でもわかりません笑」とお話されておりましたが、

K様はご自身の人生の選択を、「ふわり」と軽やかに乗り越える方で、とてもやさしい口調の中にも、きっちりとした意思をお持ちの方だと私は感じました。

そんなK様でしたが、ご新居に一つだけ悩ましいことがありました。
「寝室が、なんだか暗いんです」
実際にお家に伺ってみると、私の主観としては思いのほか「暗くない」。

でもK様にとっては「暗い」と。なぜか。

K様にとっては、ベイエリアの明るいマンションでの暮らしが一つの「軸」になっていて「戸建の1階がここまで日が入らないと思わなかった」という引っ越し当初の印象が、心のしこりの様になっていた、というように思われました。

フォローするわけではないですが、都内の戸建、特に狭小3階建の1階を沢山見てきた私としては、はっきり言って、「Kさん・・ぜんっぜん暗くないですけど」なんです。本当に。笑

お邪魔した際の実際の写真です。

そこまで暗く・・ないですよね。
私も率直に「あの・・暗いですか?!」と印象をお話させていただきました。

とはいえ、私の主観なんてどうでもいいことです。


大切なのは、K様がずっと「なんか暗い」と思ってモヤモヤされている気持ちの、「なんか」の部分を分解していくこと。

ベイエリアでの生活を、無意識のうちに比較をされていることは確かなのですが、それだけではないんですよね。

お話を深く咀嚼していくと・・ここではあえて歯に衣着せぬ言い方をしますが、「内装が、本当はあまり気に入っていない」というところに行きつきました。

「自分が思っていたよりもだいぶフォーマルだった」
「いわゆる寝室としては正解だと思うけど」

こんなお話も会話の中ではちらほら出てきました。

そうなのです。寝室っていわゆる「静」の空間。心とからだを沈静し、穏やかに1日を終える場所ですよね。

ですから、他のお部屋よりもワントーン色を落とした壁紙と、落ち着きのあるダークブラウンの窓かけで構成されたこのお部屋は「静かな寝室のお手本」とも言える空間です。

一般的には正解。ですが、Kさんにとっては「暗すぎる」。

もう少しお話を咀嚼すると、Kさんにとって寝室は「1日を静かに終える場所」ではなく「新しい1日をスタートさせる場所」なのだということにも気が付きました。

ご自身でその部分にダイレクトにたどり着くのはとても難しいことだと思います。

なぜなら、今回の場合はとにかく新築したばかり。

ハウスメーカーのコーディネーター様との信頼関係もあった中で、「内装が気に入っていない」と行きつくには、どこかで必ず何かを「否定」をすることになるからです。

自分の家を否定することは、なるべくなら避けたい。

その結果「なんか暗いなあ、なんでだろう」とモヤモヤした気持ちを細く長く抱くこととなったのです。

そこで私は寝室のインテリアコンセプトをデンマークの言葉で「輝き」を意味する「Glitter」という言葉を用いて、「Glitterな時間」とし、新たなインテリアコーディネートをご提案いたしました。

インテリアコンセプトGlitterな時間
(プレゼンテーションの一部です)

築1年程のお建物です。

窓を増やすとか、大きくするとか・・建築の条件を変えることは現実的ではありません。

でも「明るさ感」をインテリアで感じていただくことはできます。

グレーやブラウンの入っている壁紙は光を吸収してしまうため、黄色みのあるベージュ系、ゴールド系統の色味を増やして行くことからプランニングました。

インテリアカラー
(インテリアに反映させて行くカラープラン)
インテリアイメージ
(インテリアイメージを共有する資料)

日差しの差し込む量だけが「明るさ・暗さ」を決めるのではありません。

そこに集まるもの全体で、空間は作られるのです。

小物やファブリックでできる限りのことをするのもひとつの案ですが、新築したてだからこそ、私は「壁紙を1面だけ張り替える」、施工を伴うプランをご提案いたしました。

既存の壁紙はとても上品でしたので、その壁紙を活かしながらも、コンセプトの「Glitterな時間」を叶える壁紙を探しました。

そして、空間を作る家具、小物を揃えました。

プレゼンテーションはこちらです。

インテリアイメージ(ファブリック)
ファブリックイメージ

実際にできあがった空間はこちらです^^

納品後の寝室

Before・・

寝室ビフォー

After!

寝室アフター
寝室アフター②

奥の壁紙以外は既存のまま。既存を残すとしても、「いかにもリフォームしました」という仕上げにだけはしたくない。

「最初からこうでした」と思えるくらい馴染むことは私の中で絶対条件。

その上で、北欧系のインテリアがお好きなKさんの好みにピッタリの壁紙を貼りました。北欧のものではなく、フランス製の壁紙です。

イエローやゴールドを差し込んで「明るさ感」を感じられる空間になりました。

窓かけも、ベージュベースのほっこりした厚地のファブリックへ。

直射日光が当たる時間が少ない窓という点をポジティブに利用して、天然素材の成分の多い、質感の良い生地を選びました。

ベッドとファブリックの干渉を改善するため、カーテンからシェードへスタイルもチェンジ。

Before・・

カーテンシェードビフォー

After!

カーテンシェードアフター
カーテンシェード

「明るさ」を感じるために、色の工夫のほかには本当に「明るさ」を足すこともポイントです。

ライト
ライト②

フロアスタンドを奥の壁に置くことで壁がライトアップされ、明るさ感がアップします。

テーブルランプ

テーブルランプは光を透過させないデザインを。
手元(サイドテーブルの天板)をドラマチックに照らします。

サービス後のご感想です


最初、SNSで中居を知った時、どんな印象を持たれましたか?

Instagramで綾さんのお家の写真を見た時、単純に「好きだな」と思いました。いかにも作り込んだモデルルームのようなインテリアではなく、自然だな、暮らしも感じるな、という印象でした。

サービスを受けようと思ったのはどうしてですか?

セミナーに2回参加させてもらって、インテリアに対する気持ち、仕事に対する温かい想いを感じました。ご自身の経験がお仕事に反映されているところにリアリティがあり、安心感がありました。

実際にサービスを受けてみて、いかがでしたか?

私自身の判断でこのプランをすすめました。夫は「なんでやるの?」と怪訝なリアクション。ですが工事が終わって、家族の反応がとてもよかったのが嬉しかったです。

夫は「だいぶ変わったね!(明らかに好印象な口調)」

息子は「すげー!ホテルみたいじゃん!」

旅行中の娘は「最初どこだかわからなかった!」・・と。

このような感じで家族みんなで感謝感動しております!

(数日して・・)

綾さん!おかげさまで寝室が明るくなり嬉しいのです!生活が変わりました。やはり好きなものに囲まれるのは心がウキウキしますね。出会いに感謝!ありがとうございました!

Kさん、こちらこそありがとうございました^^数日してから改めてご連絡を頂けたこと、気分が変わって、生活が変わられて、その実感を率直に伝えてくださったことが私もとても嬉しかったです。

余ったファブリックでクッションカバーを追加で製作^^
可愛いクッションは寝室のみならずリビングにも並ぶそうです!楽しみ^^